2016年12月14日
赤城地蔵岳からの夜明け
師走という事で、私も世間の例に違わず忙しない日々を過ごしております。
久々のブログ更新は今更なネタですが、11月5日に行った赤城山地蔵岳から夜明けを見た時の事です。
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時刻は04:30、暁にはまだ遠い暗闇の中、地蔵岳を目指して登山を開始した。
地蔵岳は八丁峠から20分程度で登頂可能の、赤城山でもお手軽な山歩きだ。
しかしそのお手軽さと打って変わって、山頂からの360度の展望は素晴らしく、この日のように地蔵岳で夜明けを見るのはもう三度目になる。
時刻は04:50、アンテナ群が特徴的な山頂からは満点の星空が広がっていた。
風の音すら無い、全てが寝静まった大地、私は一人、人知れず日の出を待つ。
関東平野が広がる赤城山南麓には煌びやかな街明かりが広がる。
下界を離れ、私は空に立っているかのようだった。
やがて東の空は微かな光が見えだした。
暁光はゆっくりと大きくなり、闇夜の世界に黒檜山の輪郭を映す。
空と大地の境界は鮮やかな朱色で滲んだ。
闇の世界に薄らと染みる、この瞬間しか見られない朱色の空。
この色が好きなのだ。
明るみが増し、幾重にも連なる遠くの山の稜線が見えた。
朝が近付くたびに、ひとつづつ見える景色が増えていく。
更に明るみは増し、大沼も見えるようになった。
湖畔には霧が浮かび、良く見るとゆっくり東に流れていた。
霧の流れる方向を目で追うと、オーバーフローした霧が鳥居峠から溢れていた。
滝のように流れ落ち、しかし滝と違って音も無く、静かに、ゆっくりと、しじまの朝に呼応するように流れていた。
あまり見た事の無い光景に目を奪われ、しばらくうっとりと眺めていた。
霧の流れ口の鳥居峠を望遠で撮影。
どんどん明るくなり、やがて足元も確認できるようになる。
夜明け寸前の大地。
そしてご来光を迎える。
太陽の光りが顔を照り、冷えた身体を少しづつ温めていく。
朝になり、今日もまた一日が始まった。
いつの間にか、背には長い影が伸びていた。
自撮り。
携帯を弄ってるのはwifiでシャッターを遠隔操作をしているからです。
赤城の大地には霜柱が立っていた。
まだ紅葉が残る季節で、冬の訪れを感じた。
さて、ご来光登山のお楽しみは何と言ってもモーニングコーヒー。
お湯を沸かしコーヒーを淹れ一人黄昏る。
ポケーっとコーヒーを啜っていると、「リン・・リン・・リン・・」と近くで鈴の音が聞こえる。
地蔵岳に登山客が来たのかと思い辺りを見回すが誰も居ない。
おっかしいなぁと目線を遠くにやると、尾根伝いの山の先に、人の姿が豆粒のような大きさで見えた。
朝は音が通るとは言え、ずっと遠くの人の鈴の音がすぐ近くで鳴るように聞こえるのは驚きだった。
戯れに目を瞑ってみると、静寂の山頂で「リン・・リン・・リン・・」という音だけが、頭の中でずっと響いていた。
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