2017年12月26日

北国街道歩き旅(一日目後編)
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北国街道の道筋には「北国街道」と書かれた看板が多く立てられている。行政が設置した小奇麗な標柱から、木片に手書きで書き殴った粗末なものまで様々で、どのような目論みがあってのことかは定かでないが、この沿路に点在する「北国街道」の文字がやがて一筋の線を形成し、すっかり忘れ去られた旧街道の存在を確かにするように思えた。






小諸宿を越えてからは田中宿、海野宿と、狭い間隔で宿場町が現われる。 次の宿場に至る道中の景観は相も変わらず美しく、ここまで数時間歩き続けてもなお飽きること無い佳景にむしろその高揚は高まるばかりであった。





路傍には石仏が度々現れる。
丁寧に案内板に詳しい由緒を書いた石造物も多く、まるで広大な博物館に訪れたようでもある。






そうこうしている内に田中宿に到着。






かつての宿場町のメインストリートはすっかり整備され、歩きやすくもまるで風情の無いつまらぬ道となっていた。特に見所も無く、田中宿を早々に退散する。






さて、いよいよ海野宿が迫る。
海野宿は前に別の旅の際に寄っているが、それでもあの歴史的町並みをもう一度見られるとは楽しみだ。そして今回は北国街道としての海野宿、前とは別の見方が出来るだろうか。






スタートから約27km、海野宿へ到着した。






沿道には約100軒の意匠に凝った歴史建造物が立ち並び、日本の道100選や重要伝統的建造物保存地区に選定されている。 案内によると、昔より売らない・貸さない・壊さないの三か条が掟としてあったため、現在も商いをしている箇所が少なく、生活感が色濃く残る静かな宿場町です(原文ママ)





卯建(うだつ)が上がってる。
単なる装飾かと思いきや防火壁の役目を持っており、海野宿じゃなくとも今までの道程で卯建の上がった家はたくさん見られた。
「うだつが上がらない」の語源はこの卯建(うだつ)です。






海野格子と呼ばれる長短二本ずつと交互に組み込まれた格子模様。












景観は大切に保存するも、観光地化して町興しという意志はあまり感じられず、多くの歴史建造物には今でも住民が住まい、昔のまま静かに生活の明かりが灯っていた。とても良い場所です。






海野宿を過ぎ、時刻は16:00を回った。
だんだんと日が陰る。
空を見上げると暮れかけの美しい青空が広がり、午前中とは打って変わってカラッと晴れた気分の良い空だった。旅の一日目はもう佳境、足は少々痛むものの、信州のやけに綺麗な空を見ながらまだまだずっと歩いていたい気分だった。






上田方面に向けて歩き続ける。
旧街道は市街地の開発には勝てず、海野宿を越えた辺りから街道筋に当時の名残はほとんど見られなくなった。 面白みに欠ける大通りを歩くくらいならと、落日を迎えた群青に輝く千曲川の河川敷を歩くことにした。河川敷の道は遠回りになるが構わない、何も急ぐ旅じゃない。
しかしこのペースだと今日泊まるとしたら上田だな。取りあえず日帰り温泉を求めて上田の中心街へ向かおう。






適当に飯を食い市街地を歩く。
今日の歩行距離は約37km、歩行時間は約10時間。
予想ではもっと歩けると思ったが寄り道が多いのか歩くのが遅いのか、意外と進まなかった。

時刻は19時、空は丸い月が煌々と輝いている。
足は重く、マメが出来て痛い。
しかし精神は至って健康で、歩きたい気持ちは逸るものの足が付いて行かない塩梅であり、 また夜の散歩は尚も旅情を抱き、普段は煩く感じる車群のロードノイズも今日に限っては弦楽器の協奏曲のように思えた。






この時点でも宿は何も予約していない。
どうせ明日も早く出発するから宿を取らず適当に過ごそうと、途中見つけた温泉で一息つく。広い湯船に身体を沈め昇天する。極楽ここにありという心境で、固まった筋肉をゆっくり解していく。偶然にも温泉に仮眠室があったので、これ幸いと少し寝ることにした。しかし深夜になって、隣の人がタバコを吸いだして臭かったから嫌になって、近くの漫画喫茶に移動してまた仮眠を取った。


つづく






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