2017年08月07日

灼熱のなまはげツーリング(三日目)

東北キャンプツーリングは三日目に突入。
前回の記事はこちら






自由な無計画旅であっても、正午を過ぎた頃には「どこまで行けるか」「どの辺にキャンプ場があるか」なんてことが気になってくる。 逆に言うと、午前中は何も考えずに行動してもどうとでもなるので、心置きなく自由をを味わえるのは実は午前中くらいなのだ。
という訳で最大限に自由を味わうべく今日は4時に起床、ファミリーキャンパーはまだ寝静まっている。






茹でて和えるだけの朝食。
キャンプの朝は毎回こんな感じ。

5時にはキャンプ場を出発し、男鹿半島のなまはげを目指す。






7時、寄り道してツーリングマップで気になる場所へ。






なんとここ、北緯40度と東経140度が交わる点。
キリ番で交わるのは日本でここだけだそうで。






ま、交会点にはそんな興味はない。
本当に見たかったのはここ、『すごい風景 ここは日本か!?』とツーリングマップで書かれていた超広大な干拓地、大潟村の八郎潟。






ここは八郎潟は元々は大きな湖、食糧増産の一大プロジェクトにより昭和32年から20年の歳月を掛けて湖の水を抜き干拓し大潟村が誕生。湖底は広大な農地に生まれ変わった。
案内図を見ると分かるが、男鹿半島一個分とかいう規格外の水田が広がっている。
途方もなくスケールのデカい話だ。






超広大な干拓地には水平垂直の未舗装路が交錯し、その長さは約十キロにも及ぶ。
目の前の真っ直ぐな道の先はそのまま消失点となり、周囲はひたすら地平線を見渡せる。
まるで大陸の開拓地にいるような心持ちで、砂埃を巻き上げながらいろんな道を走り回った。






記念の自撮り。
いい写真ですね。

ちなみに天気予報では今日あたりから天気が崩れそうだったがご覧の通りド快晴。
これぞ晴れ男パワー。超絶酷暑、くっそ暑いです。






さて、八郎潟を離れ最終目的地、なまはげさんに会いに行く。
男鹿半島の入口には巨大ななまはげ像がいた。






10:00
なまはげ館に到着。
まずは資料館でなまはげ文化について学ぶ。






なまはげは各地区により姿形に変化が見られる。
資料館の一角に、各地のなまはげが大集合していた。
※写真は全て撮影可の場所で撮っています。












なんていうか、すっげーカッコいい。
なまはげを見る私の目は、かつて戦隊ヒーローに憧憬の念を抱いていた幼き頃の自分の目と同じだった。






憧れのなまはげに変身!
係員さんに「着ていいですか!?着ていいですか!?」とキラキラした目で話しかける私、ぼっちのクセに満喫してます。






お勉強したあとは伝承館へ。






なんとここ、なまはげ問答を忠実に再現したなまはげショーが見られる。
生のなまはげを見られるとは思っていなかったので超興奮。






居間でなまはげ問答が繰り広げられ、隣の部屋で我々が見学するシステム。
実際目の前で見ると相当な迫力で、子供は案の定大泣きでした。






私ははまはげ文化を、宮古島のパーントゥ同様に“来訪神の厄払い”的なイメージを持っていた。 だが男鹿半島で実際に見て触れてそのイメージは少し訂正された。 なまはげは子供たちの悪い行いを叱り教育する、親は子供を攫おうとする我が子をなまはげから守り親子の絆が生まれる、 そして最後には「皆の者健康でいろよ、また来年くるからな」と厄払いをしてくれる。 なまはげは皆の為を思って怒り、そして皆の健康を祈ってくれる。 その風習、文化に感銘を受け、最後の「また来年くるからな」のセリフで泣きそうになった。 子供の頃は畏怖の対象だったなまはげが、青年になる頃には自分がなまはげとなり怠ける子供たちを叱り、そして家庭を持つ頃にはなまはげから我が子を守る親の立場として、 いろんな人のいろんな思いを紡ぎながらこうして伝統が続いて行くんだなあと、とても素敵な文化だと思った。




―――――――――――――――――――




なまはげに会うという目的を果たした私は、名残惜しくも秋田を離れ、群馬に近づくために南下を始める。
時刻は12:00、灼熱の日差しを受けながら走る道は、再びの日本海沿いオーシャンビュー。 走り続けて遊び続けてもうクタクタだ。時間が許す限り満喫した東北は満足であり、今日のところは悔いがない。 もちろん行きたい場所の全て行けた訳では無い。 今回行き逃した観光地は次回のお楽しみとして取っておけばまた旅に出る理由になるってもんさ。

時刻は14時、山形県に入った辺りで今日の寝場所を探す。 調べると酒田市の山あいに雰囲気の良いキャンプ場があったので電話した。
「今日キャンプ場を利用したいんですが」
「はい大丈夫ですよ、何名様ですか?」
「一人です」

電話の先の声が固まった。嫌な予感。

「今ですね、県から熊の注意喚起が来てまして、お一人のご利用は危ないので遠慮して貰ってるんですよ」
「え、他の利用者は居ないんですか?」
「今日は誰も居ないんですよー」
「熊、大丈夫ですよ」
「いやー、まあ何かあるとお互いアレなんで・・、ねえ」

うーむ、こりゃ駄目そうだ。
一人ぼっちのキャンプ場アゲインはかなり魅力的だが、仕方なく諦める事にした。

ならばと、初日に泊まった鶴岡市のキャンプ場に電話してみた。
「ぷるぷるぷるぷる」
「・・・」
「ぷるぷるぷるぷる」
「・・・」
「ぷるぷるぷるぷる」
「出ねえし!」

ちょうど今誰も受付に居ないんだろうと高を括り、取りあえず泊まれる前提で鶴岡市に向かった。

時刻は16時、鶴岡市内に入ったのでまた電話してみる。
「ぷるぷるぷるぷる」
「・・・」
「ぷるぷるぷるぷる」
「・・・」
「ぷるぷるぷるぷる」
「出ねえし!!」

おっとこれはまずいぞ、寝る場所がない。この辺には他のキャンプ場は無い。 ビジネスホテルに泊まってもいいんだが、ここまで来たら全泊野営がしたい。
さて、どうしたもんか。
あーでもないこーでもない考えてる内に、だんたんと面倒臭くなってきた。
私は考えるのを止め、自由になった。

「そうだ、日本海の夕日を見よう!」






17:30、二日目にも立ち寄った由良海岸に到着。
日は傾き始めていた。






日本海に落ちる夕日はどこで見ても綺麗だが、なぜ私は由良海岸に来たか、 それは二日目に見た「芝生内にテントを張らないで下さい」の看板を思い出したからだ。 じゃあ芝生外ならテント張って良いんですね、という解釈だ。

経験から言うと、夏の海辺のキャンプなんて暑くて蒸し蒸しして寝られたもんじゃない。 ただ、山に入って寝られそうな場所を探すより勝手知ったる場所の方が面倒臭くない。 取りあえずは夕日見て、寝るか寝ないかはその時決めよう。






海辺には共同浴場もある。
今日は汗をかきまくって身体はベトベト、早くお風呂に入りたいが入浴中に日没したら最悪だ。 日没後に風呂に入ろう。






世界は黄金色に輝き始める。






黄昏。






うぬぬぬぬ・・、待てども待てども日が落ちない。
早く落ちないと風呂が閉まっちゃう。






この日没ペースならまだ風呂はギリ間に合う!
じゃあいつ行くの!?
今でしょ!!






風呂から出ると顔が引きつった。
昼と夜とのバトンタッチはもう佳境だった。








少々バタバタしてしまったが、日本海の落日を見送る。
丹色に紫や黄色や、様々な色が混じりあった、複雑な色の海だった。






そして日が暮れた。






赤みがかった空を藍色の闇が浸食する。






私はここで変なスイッチが入ってしまった。
寝る場所とか飯とかどうでもよくなり、椅子を出して駐車場にポケーっと座っていた。
野宿旅行の三日目とか四日目に現れる、いろんなものが超越した無敵状態だ。
余談だが、数年前の沖縄本島自転車一周野営旅の際も、四日目で何もかもどうでもよくなり公園で適当に寝ていたが、 どうやらそこは管理されている公園のようで、ホームレスとの協力プレーにより警備の目から巧みに逃げ回るといった謎の経験もある。






適当に米を炊き、適当なオカズで飯を食う。
雑すぎて米の炊き加減がイマイチだったし、面倒で蚊取り線香すら出さなかった。
夜遅くにテントを張り、朝早くに撤収し、人目に付かないようスマートに野営する事にした。

よく「野宿って変な人とかに襲われたら怖くない?」とか聞かれるが、最近になってやっと気が付いた。 客観的に見ればどう考えても変な人は私だ。駐車場の端でポケーっとしてる男がいたら怪しくて近づけん。
まあでもこっちも旅の経験が長いので、どこだったら寝ても大丈夫かとか、あの車の人は大丈夫な人だ、とか何となく分かるようになってきた。 また、こっちの状況がクローズ過ぎると不審に思われるので、私が何をやってるか程よく分かるように公開したり、 我ながら惚れ惚れする絶妙で紙一重の距離感を作れた。 案の定、夜釣りのおっちゃんとは不審がられる事なくコミニケーションできた。







しかし雑な野営はそう上手く行く訳がなく、結果は散々なものだった。
テントを張って横になるが、まず懸念していた通り蒸し暑くて眠れない。 私はテントの中でパンツ一丁、無風の熱帯夜で滝のような汗が流れ身体はベタベタで汗臭く、不快感メーターはMAXまで振り切れていた。 そしてテントの入口のメッシュのところには私の生き血を啜ろうと蚊が十数匹飛び回り、テントには入ってこないが幾重ものモスキート音が煩くて堪ったもんじゃない。 いや蚊が煩いだけならまだいい、実は線香も焚かず外で過ごした事で蚊に数十箇所刺され、全身痒くて眠るどころじゃないのだ。 「泣きっ面に蜂」ならぬ「汗っ面に蚊」である。
これはもうお手上げ。時が過ぎるのをひたすら待つのみ。

ほとんど眠れず、なんとか無理やり1時間ばかり眠る事が出来た。



最終日へ






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