2017年02月17日

産業遺産探訪「日立鉱山 日鉱記念館」



ここは茨城県北部、日立市。
写真を見れば分かるだろう、そう、日立鉱山だ。
うねるように地を這う煙道、阿呆煙突とも呼ばれたダルマ煙突、そして長らく日立鉱山のシンボルであった大煙突(現在は崩壊の為1/3の高さになっている)
私が以前から行きたいと願っていた憧れの場所だ。

本日は産業遺産探訪という事で風越龍さんと日立鉱山へ訪れた。
見所はそれはもう沢山あるが、今回は初回という事で「日鉱記念館」の見学を行う事にした。
日立鉱山の歴史や資料を展示する日鉱記念館は、マニアの間では豊富過ぎるほどの展示物で有名であり、 しかもそれが全て無料と、数多くの大企業が生まれた日立鉱山の地力を物語っている。






日鉱記念館は日立鉱山の敷地内に建てられ、当時の設備をそのまま資料館として見学できる。
まず訪れたのがコンプレッサー室。
当時活躍していたコンプレッサーがそのまま据え付けられ、驚くことに大正7年導入以降閉山までずっと稼働していたと言う。
無骨な巨大圧縮機、そして巨大モーター、そして巨大プーリー、どれも見たことのないようなもの凄い機械だ。
しかも、設備の殆どが日立鉱山の独自で開発されたものだ。






コンプレッサー室は昭和19年に新築されたが、この時戦争末期、鉄材が極度に不足していた。
そんな情勢下で生み出されたのが大工の技術力の結晶、木造の堅固な建築。






堅固な木造建築の究極的なものが写真の部分。
これはクレーン用の走行枠、鉄骨を使わず木材で作っている。
大工さんの技術力に惚れ惚れするばかり。






バケットローダーと人車も置いてある。






展示物は丁寧な説明が書かれ素人が行っても安心。
マニアと一緒なので喧々諤々話し合い、構造を見ながら理解出来た。
アナログ機械なので見てて飽きない。






日鉱記念館で一番の変態的な展示がこれ、削岩機コレクション。






世界各地の削岩機を収集し、自社で使いやすいよう日立製作所が開発した。
これだけのコレクションは世界的に資料的価値が高いと言う。






我々以外に見学者が居なかったが、我々が削岩機を見ている時に別の見学者がやってきた。
しかし彼らはコンプレッサー室をぐるりと10分程度見学し、次の建物に行ってしまった。

「風越さん、あれが一般人の見学スピードですぜ」
「我々もうここに一時間もいますよw」

結局、コンプレッサー室を出るまで一時間半も掛かってしまった。






外は外で色々展示が目白押し。
流石は巨大鉱山、坑内車両も規模が違う。






第一竪坑。






竪坑は三つに仕切られ手前二つは鉱石の運搬に、奥は作業員の昇降に使用していた。
かつてはここからケージに乗り込み地下600mまで一気に降下するのだから恐ろしい。
あーー、降下したい。(動かないし今は途中で水没してます)






敷地内を色々見学し、最後に日鉱記念館の本館にやってきた。
この日初めて知ったが、日立鉱山は「日鉱金属」「日立製作所」などの巨大な企業となり、今では超大企業「JXグループ」に繋がっている。 更には「日産自動車」を生んだ「日産コンツェルン」の源流だったりするから驚きだ。

沿革を見ると経営が意味不明な程に優れており、例えば足尾銅山の古河財閥なんかは足尾閉山後は一気に凋落してしまったが、 ここ日立鉱山は閉山後も巧みな事業展開により海外の鉱山や油田の開発などで一層勢力を拡大し、今では日本のエネルギーを牛耳っているといっても過言ではない。
沿革表を見るだけでも感動のサクセスストーリ、日立鉱山マジですげえ!






資料館内には模擬坑道的なエリアもある。






今日ずっと見学してきた遺構の復元模型が多く展示され、あれこれ議論した事の答え合わせのような楽しさ。








全盛期の日立鉱山。
今では建物が無くなっているが遺構が多く残るため、写真と現在の様子を見比べると「ここに大鉱山があったんだなぁ」と感慨深くなるのだ。






一枚目の写真と同じ場所
煙道然り、ダルマ煙突然り、大煙突然り、全ては公害対策で試行錯誤した証。
「この研究は必ず後世の為になる」と、何度も失敗を繰り返し巨額の費用を投じたこれらの設備は、 創業者が世の為人の為と、長い年月に渡り取り組んだ。 そして大煙突完成後は公害が大幅に減少する結果となった。
公害垂れ流しの足尾銅山とは違い、日立鉱山は本当に誠意のある経営をしている。 これが超一流企業にまで発展した所以だろうか。






大煙突建設中の写真。
大正3年に建設されたため足場は全て丸太。






この丸太足場が高さ155.7mまで組まれたのだから凄い。
完成の大正3年時点では世界で一番高い煙突だった。
これは日立鉱山で設計施工された。
これこそ物作り大国日本の技術力の結晶。






いろんな歴史がある鉱山だが、鉱夫たちが凄く良い笑顔だったのが印象的だった。
少なくとも私は仕事中死んだ目をしている。


結局、気が付けば日鉱記念館に5時間30分も滞在していた。
どの展示物も興味津々で勉強になったし、感動もした。
最後に館長さんからお話を聞けたので満足。






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